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切手の話vol.5 オーストラリアの路面電車

PC270033_DxO久しぶりに切手の話です。1989年にオーストリアで発行された路面電車シリーズの中の1枚です。路面電車と言いつつ、左の切手では馬が引いています。馬車と鉄道の中間という感じでしょうか。

左上には筆記体による「Adelaide Horse Tram 1878」の文字。オーストラリア南部の都市アデレードで、1878年に走っていた馬車鉄道のようです。この馬車鉄道、調べてみるとかつては日本でも走っていました。ちょっとびっくりですね。

二頭の馬が軽快に駆けていく姿は実に清々しいです。そして馬車の車体がイエローなのも南半球にふさわしい明るさ。おまけに二階建てになっています。オーストラリアはこの当時、まだイギリスの植民地でしたが、ロンドンの有名なバスのように、どうもイギリスの人たちは乗り物を二階建てにする傾向があるのかもしれません。

PC270033_DxOここで僕の目を引いたのは二階部分の広告。19世紀にはすでに車体に広告を貼るという発想があったんですね。切手の場合、こういうときに架空の広告を入れることはないでしょう。おそらく実在したものではないかと思います。

早速調べてみたところ、左のCONTINENTALナントカはよくわかりませんでしたが、右の「MASON’S EXTRACT of HERBS」については、こんな画像を発見しました。ほぼ同じ会社の広告と考えていいでしょうね。

さらに調べてみるとこの会社、イギリスのノッティンガムの会社で「Extract of Herbs」という名前のボタニック・ビールを作っていたらしいです。ただ、ボタニック・ビールがどういうものなのか残念ながらよくわかりませんでした。ハーブのエキスを抽出しているらしいので、薬用酒のようなものだったのかもしれませんねえ。

PC270035_DxO思わず深入りしましたが、一枚の切手の中に思いの他たくさんの情報が詰まっていたりして、それを掘り出していくのも楽しみの一つであります。

このシリーズは5種類でワンセットになっていて、他の切手も美しいイラストが魅力的。車両だけでなく当時の風俗も一緒に描き込んでいるところがいいですね。そう言えば、左下の電車も二階建て。やはりイギリスの人たちは二階建ての乗り物が好きなのかもしれません。

2013年12月27日(金)


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